Sugarglider Breeding, Birth, Childcare


フクロモモンガの繁殖、出産、育児


 

 

 

 

繁殖

フクロモモンガは、繁殖出来る体 (性成熟) になるのが、メスは8か月~、オスは12か月~で可能になります。 年中温度管理された飼育環境下では1 年中繁殖期間と言えます。 同じケージ内でオスメスの多頭飼いをすると相性さえよければ、いつのまにか出産してお母さんの嚢 (以後:袋) にいるなんてことに・・・。

 

フクロモモンガは、交尾から出産までが約16日間と短く、1回の出産で1匹~2匹産みます。 (稀に3匹) 生まれたベビーの大 きさも米粒大 (5mm強) と小さいため気が付かないことが多いと思います。 なので飼い主さんがベビーの存在に気付くのは、袋が膨らんできたくらいにやっとベビーがいることに気付きます。

 

「あれ、お腹大きくなってない?」 みたいな感じに・・・。

 

 

● 近親交配

オスとメスを同じケージ内で飼えば、相性さえ合えば子供を産んでしまいます。 普通ならここで止まってくれればいいのですが、さらにその子どもがオスとメスだった場合に、兄弟同士で交尾をしてしまうと近親交配になってしまいます。 どの動物でも近親交配は、血が濃くなってしまうと遺伝子の差が少なくなり奇形、色素異常の出現、死産、失明、など悪い弊害を生み出すとされています。

 

一般的には、近親交配させるのはどんな悪影響がでるかわからないので、避けた方がいいと言われていますが、人工的な品種や毛色を作るために、あえて近親交配させる場合もあるようです。

 

 

 

 

出産

まずは、出産するとお母さんが子宮から袋までの道筋を舐めて誘導し、この唾液の匂いを辿ってベビーは自力で袋へ移動します。 実際に出産シーンに立ち会ったことはありませんが、芋虫が這っていくような感じに移動するようです。 よほど運がない限り出産シーンに立ち会うことはないでしょう。 

 

参考動画は、 『フクロモモンガ』 最近の 「カンナちゃん♀」 出産 / asphalt1964 さん

ベビーがいる間、お母さんはとても神経質になっています。 ストレスにならないように静かな環境を作ってあげてください。 そして出産を経て育児中のお母さんは体力も消費します。 いつもよりも高タンパク質系の栄養価の高い餌 (ミルワーム・チーズなど) を増やすようにしてください。

袋の中で順調に育てば約75日後に袋から出て (袋から出ることを脱嚢と言います) きます。 しかし体もまだまだ小さく、目も開いていません。 目が開くのは袋から出て1週間~2週間程度経過してからです。


 

 

 

 

育児

 

そしてさらにここから注意しなければいけません。 過度のストレスからくるのが原因かは分かりませんが、【育児放棄】 したり、最悪になると 【子食い】 をしてしまう恐れがあります。 なので、より一層注意してください。

 

何事もなく両親が育児をすれば、ベビーはお母さんの乳を飲んで成長してくれます。 下の世話も舐めて催すように促進します。 そして脱嚢から約1か月程度で両親と一緒に寝床からベビーが顔を出すようになります。

 

餌は、ミルクから通常食に切り替えていく時期でもあります。 無理に通常食に切り替えないで、通常食とは別に食器に小動物用ミルクを入れて与えたり、通常食に 小動物用粉ミルクをふりかけて与えたり、ベビーの食事風景や食べ残し量を見て徐々に通常食に慣らしていくようにしましょう。

 

※食器に小動物用ミルクを入れて与える場合は、出来る限り小さな食器でベビーが食器に入ってミルクに浸からないように注意してください。

 

また、ちょうどかわいい時期でもあり、馴らしはじめる時期でもあります。 ついついかわいすぎて余計に手をかけてしまうと、ベビーが疲れてしまいます。 様子を見ながら馴らしていくようにしてください。 それと毎日体重測定をすることをオススメします。 体重の増減を把握することで順調に育っているかを確認できま す。

 

そして特に注意することは、ケージ内 (ポーチ内) の温度管理と両親の栄養管理になります。 比較的暑さに強いと言われているフクロモモンガなので、特に真夏の暑い時期と設置場所を注意すれば安全なのですが、冬場は非常に危険になります。

 

最低でもケージ内 (ポーチ内) 温度を30℃くらいにする必要があります。 ポーチ内や巣箱でいつも両親に密着していれば両親の体温でベビーを守ってくれるのですが、不測の事態は必ずあるものです。

  • 巣箱やポーチから外に出てしまい、もどれなくなっり、そのまま寝てしまったり。
  • 両親が寝床にもどってしまい、置き去りにされたり。
  • 寝床の中で両親から離れて寝てしまったり。

など色々な状況が考えられます。

すぐに気が付けば良いのですが、ずっと見てるわけにもいかないのですよね。 そんな時のために温度管理はとても大切なこととなります。

 

そして両親の栄養管理については、人の出産・育児と同じように体力と栄養をベビーに奪われてしまいます。 いつも与えてる食事に加えて栄養価の高い食べ物を多目に与えてください。 後程説明させていただく子食いに関係してくるのでお読みください。

 

成体になっても温度管理や栄養管理の必要な動物です。 継続して様子を見てかわいいベビーを育ててください。

 


● 脱嚢後の参考体重

【育児中の1ヶ月単位の体重経過 目安】

脱嚢後 月数 オス メス
1か月目 30g ~ 40g 30g ~ 40g
2か月目 60g 50g
3か月目 70g 60g
4か月目 80g 70g
成体の体重 90g ~ 100g 80g ~ 95g

 

※個体差によって増減します。 体重と見た目で判断してください。

● 脱嚢後の毎日の詳細な体重増加 及び 授乳量 参考表

大量なデーターになったため、別のページに移動しました。 >> こちら(現在閉じております)

 

 

● 離乳

 

ちゃむ家では離乳をあまり気にしておりません。 と言うのも今までちゃむ家で生まれたベビーたちは自然と通常食(ペレット)に移行していたからです。 餌だけではなく給水ボトルからも自然と飲むようになっています。 ただしこれは自家繁殖で親が一緒にいるため常時通常食(ペレット)を設置しているためだと思います。

 

離乳の時期ですが一概に何日とはハッキリ決まっていません。 人の赤ちゃんもそれぞれ違うように、両親に育てられた赤ちゃんや、育児放棄などによって人工保育で育てた赤ちゃんの成長具合によって時期は変わってきます。 早い子だと脱嚢25日程度で食べる(舐める)子もいます。

 

ちゃむ家で考える離乳の方法ですが、お皿に入ったミルクを常時自力で飲めるようになったら離乳の準備を開始するといいと思います。 ミルクとは別皿でペレットを用意して同時進行で置くようにします。 ペレットにもよりますが最初はペレットに粉ミルクを混ぜて置くとスムーズに食べてくれるように感じます。

 

常時置きペレットを設置したら、毎日ペレットが減っているか確認して、よく食べているようでしたらミルクをやめてペレットだけにしたらどうでしょうか。 ただし、ペレットだけにしたら最初は減り具合とウンチをしっかりしているか確認してください。 もちろん体重測定も毎日忘れずにしてくださいね。

 

しかし、通常フクロモモンガをお迎えする際は、よっぽどのことがない限り、安心のため離乳後のお引き渡しになると思います。 その際は必ず販売店さんにどんなペレットをどのように与えていたのか確認して、最初は同じものを選んだほうが安心だと思います。 ただし、同じペレットでも環境が変わったことで、最初は食べてくれないこともあるので頻繁に様子を見てください。

 

お母さんのミルクをもらいつつペレットも食べる離乳から一般食に移る時期の赤ちゃん

 

 

● 育児放棄

乳をあげるのを嫌がり育児放棄した子を寝床 (ポーチ) から追い出してしまう場合があります。 そして再度寝床にもどしても、同じように追い出します。 早めに判断して人口保育に切り替える決断をしたほうがいいでしょう。

 

ベビーがよく泣いていたり、母親が赤ちゃんを威嚇したり、普段と違う小さなことがサインになるので見逃さないように注意してください。 育児放棄をしたベビーの生存確率は20%以下と言われていて、とても低く成体でも温度管理の大切なフクロモモンガです。 ベビーはさらに細心の注意が必要です。

 

そして人口保育になれば、ミルクをお母さんの代わりにあげる必要があります。 小動物用ミルクをお湯で溶かして人肌に冷ましてスポイトでゆっくりゆっくり与えるのですが、鼻に詰まったり喉を詰まらせたりするので細心の注意で与えてください。 さらに大変なのが、人間の子供と同じで一度に飲む量が少ないため昼夜問わず頻繁にあげる必要があります。

 

素直にミルクを飲んでくれれば良いのですが、なかなか最初から飲んでくれることが少なく、根気よく一滴一滴与えるようにしてください。

 

 

● 授乳拒否?

授乳拒否、あまり聞いたことありませんよね? リリスのベビーが育児袋に潜ろうとせず授乳されている気配がありませんでした。 昔、トリマーの仕事をしていた時にわんこの保育なども経験しましたが 母親が育てない育児放棄と、ベビーが授乳拒否する場合があります。

 

きっかけは何かわかりませんが「生きる」事を諦め授乳を拒絶しはじめます。 母乳が少なすぎるなどいろいろ理由があるのだと思うのですが・・・ベビーが母親の授乳を拒否するなんて、ありえない行動だと思いますよね。 自然の本能なのでしょうか。

 

でも、ここ(ちゃむ家)は自然界ではなく・・ 結論から言えば、フクロモモンガやベビーにとって安心できる環境を与えてあげられてなかった飼い主の責任ですよね。 この見解があっているかあっていないかは定かではありませんが、同じようなことを聞いたこともあります。

 

育児放棄されたフクロモモンガのザビエルくん画像

ちゃむ家の育児放棄体験

 

育児放棄したのは出産2匹のうち1匹。

 

育児放棄だと分かったのは、ベビーが乳をせがもうとするとお母さんが威嚇する鳴き方をして、吊り下げ型のポーチから追い出してたんです。 ポーチは低い位置に設置してあったので落下では無事だったので本当によかったです。

 

はじめての経験だったので最初はなにがなんだか分からず普通にポーチに戻したのですが、また同じように威嚇して追い出します。 それも同じ赤ちゃんです。 それを何度か繰り返しても同じ結果になるので、そこではじめて育児放棄だと分かりました。 それでこれはまずいと思い人口授乳に切り替えました。

 

スポイトでミルクをゆっくりゆっくりと与えてお腹がいっぱいになったらお母さんの寝床に戻して落ち着きます。 そして赤ちゃんがお腹を減らして乳をせがむのでまたお母さんが威嚇するのでミルクを与えます。 お母さんの威嚇がミルクを与えるサインでした。

 

それが最初の1週間は昼夜問わず3時間おきにあったのでとても辛かった記憶があります。 1週間を過ぎると徐々に回数も減り1日に3回程度に、さらに育ってくると自力でミルクの入った食器から飲んでくれるようになったのでとりあえず一安心です。

 

その甲斐もあり、いまではその時生まれた親に育てられた子も、育児放棄された子も、何事もなかったように元気にしております。 当時はとても大変でしたが、動物を飼う以上なにがあるか分かりません。 そして動物を飼うことの大変さ、命を預かるという責任を再認識した出来事でした。


そして、この子たちがもし自然の中で生きていたのなら、最初にポーチから追い出された時に樹上から落下して亡くなっていたでしょう。

 

育児放棄した原因がミルクの出が悪かったのか、なにが原因かは分かりません。 野生の習性でお母さんは1匹を生かすことを選んだのかもしれません。 それが自然の中で生き抜くための手段なのかもしれませんね。

 

あくまでもちゃむ家で経験した育児放棄です。 他にもいろいろなケースがあると思います。 ひとつの参考にしてくださいね。

脱嚢したてや、初めての人口授乳の場合は、上記動画のように一滴一滴ゆっくりとミルクを与えてください。

脱嚢20日後の赤ちゃんです。体重28g

5時間おきに授乳しました。

5分かけて1.5cc飲みました。

個体差もあるかもしれませんが、最初の授乳の時にシリンジを近づけても怖がって飲んでくれません。 赤ちゃんを手に持って軽く包むようにしてあげてください。

脱嚢20日後の左の動画と同じ赤ちゃんです。体重28g

3分かけて1.8cc飲みました。

2度目の授乳の時には、シリンジを近づけただけで飲んでくれました。 個体差があるので焦らずゆっくりと時間をかけて与えるようにしてください。


 

 

● 子食い

栄養が足りない場合に起きることがあるそうです。 タンパク質系の栄養価の高い食事やおやつを普段より多めにあげるようにしましょう。 ただしあげ過ぎると肥満の原因になるため少なすぎずあげ過ぎずと難しく、具体的な量は個体によって変わってくるため分かりませんが、毎日の体重測定をして、しっかりと栄養を与えてください。


2017/06/19 追記

栄養をしっかり与えていても子食いが発生したとのご報告をいただきました。 栄養不足による子食いは、1つの要因であり、必ずしも栄養不足だけが原因ではありません。 初産、環境、雑音、などの様々な影響によるストレスなども考えられます。


今のところちゃむ家では、小食いの発生がなく、原因の追求よりも未然に防ぐため、ある方法を行っています。 これは根拠があるものではなく、ちゃむ家での繁殖件数も少ないため、今のところは記載をする予定はありません。 今後件数が増えていきご報告出来るようになれば考えたいと思います。

ちゃむ家の育児室

 

基本的には両親と一緒にケージでの育児を行っていますが、育児放棄や子食いなどの兆候があった場合には育児室に移動します。 主に冬場は危険なため

 

温度管理がとても大切な赤ちゃん。 室内温度を30度前後に維持出来るようにしています。

 

育児室は、みどり商会さんのグッドロックミニを使用していますが、元々は爬虫類用?のケースなので改良が必要です。 天井に暖突を設置して温度管理、ケース側面に給水ボトルを設置、底を二重底にして清潔を維持、前面のガラスをアクリル板に変更して開閉できるようにしました。

 

ただし、260mm × 260mm 程度の広さしかないため運動不足からくるストレスにならないように、定期的に部屋散歩や蚊帳を使っての運動をさせてあげたほうがいいかもしれません。

 

<参考商品>

● みどり商会 グッドロック ミニ

2017/01より 育児用のケージとして ちゃむ家 で使用しています。 底には専用の遠赤外線温熱マットを差し込むことができ、天井には暖突を設置しました。 ただし、給水ボトルが取り付け出来ないため、取り付け出来るようにして、底を二重底に改良しました。

サイズ : 330 × 330 × 高さ230mm

爬虫類 飼育 ケージ 爬虫類ケージ 両生類 プラスチック製/ グッドロック ミニ

● みどり商会 暖突M

ケージの天井外側に取り付けて、上部から強力に下方に温かくします。 ただし元々カメやトカゲ用?のガラスケースで使用するため温度が逃げにくいと思うのですが、フクロモモンガのケージは全面が金網になっているので天井付近20cm程度の範囲しか温まらないようです。 なので天井からハンモックポーチなどを吊るして使うと効果があります。

サイズ : 幅25 × 奥行20 × 厚さ21mm

みどり商会 暖突 だんとつ Mサイズ 爬虫類 両生類 パネルヒーター 保温 関東当日便

 

 

 

 

繁殖の概要

繁殖できる体 (性成熟)

メス  8ヶ月~

オス 12ヶ月~

繁殖時期 飼育下では1年中
発情周期 29日周期
発情期間 2日間
妊娠期間 約16日間
嚢 (袋) に入っている期間 約75日間

 

 

 

 

繁殖で注意しなければいけないこと。

ここまでの記述を読んでいただければ分かると思いますが、同じケージ内でオスメスの多頭飼いすると環境と相性があえば繁殖し続けます。

  • 妊娠期間が、             約 16日間
  • 袋に入って脱嚢までの期間が、 約 75日間
  • トータルで、             約 90日間となります。

このペースで繁殖をし続けると、年間4回の繁殖となり、1回の繁殖で1匹~2匹生むので、多く見積もると年間で8匹も生んでしまうのです。 飼育しきれないなんてことになったり、頻繁な出産 育児でお母さんの体も危険な状態になります。 繁殖の予定がない限りケージ内でのオスメスの多頭飼いは、飼い主さんにもペットにとってもよくない結果になりうるので注意してください。

 

 

 

 

ちゃむ家のイキモノたち 家系図

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